事例集:相続が発生したとき

事例5:長寿社会を
幸せに生き抜く相続とは?

Aさん(56歳/男性)からの相談

Aさん

83歳の父が亡くなりました。母(80歳)と私と妹(52歳)で相続しますが、父はかなりの資産を有していました。
相続税を最小限に抑えたいところですが、母も不動産を多く所有しているので、今、母が父の遺産を相続すると、将来、我々兄妹が母の相続をする際、さらに大変なことになるのではないかと心配です。

遺産分割について、一般的な考え方

相続税はできるだけ少なくしたいものです。その観点から一般的に税理士は、一次相続(ご両親のうちお一人が亡くなった時の相続)・二次相続(もうお一人が亡くなった時の相続)の、二度の相続税の合計が最小限になるようシミュレーションし、ご提案するのが一般的です。

しかし、それだけでは、亡くなったお父様の御遺志や遺されたお母様のお気持ちが視点から欠けているのが気になります。

私どもの提案。お母様の幸せを第一に。

まずは、何を軸として考えるか。私どもは、亡くなったお父様と遺されたお母様がどのようにされたいかを軸に考えるのがよいと思います。その上で、お母様の年齢や体力、資産状況、さらに、他の相続人の方々の置かれている状況や環境などを総合的に判断した上で決めるのがよいでしょう。
相続税を安く抑えるのが主目的ならば、一次相続をした後、あらゆる税法を駆使して上手に贈与等を行うことで、二次相続の際の税をできるだけ低く抑えることは可能です。
しかし、このような手法は、相続税を減らしたいというお子さん達の視点で行われることがほとんどです。また、大変残念なことに、そういった贈与が行われた後、お子さん達がお母様に寄りつかなくなるという話も、しばしば聞くところです。
現在、健康であれば、百歳近くまで生きる人が増えています。それを前提に、お母様はお母様で最後までお子さん達に迷惑を掛けずに生活できるだけの現金や預金などの流動資産を確保しておくのがよいと思います。自らの資産も保持しつつ、お父様の遺産の分割方法を考えましょう。
お子さん達は、お父様との生前のやり取り等を考慮して、残った財産を相応に相続(分割)するのがよいと考えます。
次に、お母様に相続が起こった時(二次相続)のために考えるべきことは、「お母様のご希望を軸に、資産をシンプルにしておく」ことです。

具体的には、次のようなことです

  • 不良資産の処分や整理(不動産や家具なども含む)
  • 土地をそのまま維持するなら、先々売ることになった際に必要と思われる書類の準備(地積測量図や境界確定図などの作成)をしておく
  • 土地が共有になっている場合は、権利関係の見直しや調整(売買や交換等)
  • 相続税の納税資金の確保(現金もしくは、保険など現金化しやすい状態にしておく)等

これらの準備ができた上で、お母様がやはり資産をお子様達に贈与したいということであれば、贈与を行うとよいでしょう。それに伴い、相続税も減らすことができます。

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