事例集:相続が発生したとき

事例3:生前贈与の差に、
遺産相続でバランスを

Aさん(65歳/男性)からの相談

兄Aさん

母が90歳で他界しました。父は既に亡くなっており、残った財産は母の預貯金だけです。
相続するのは、私と妹(61歳)の二人です。
妹は自分の家に母を引き取って同居しながら介護もしていましたが、今後の親戚づきあい等を私がやっていくことを考えると、遺産は半分に分けるのが妥当だと考えています。

Aさん、B子さんの両方からお話を伺いました

兄Aさん

今後の親戚づきあいは私が引き受けるから、兄妹二人、平等に半分ずつ分けたいと思うが、どうだろう。

妹B子さん

兄さんは大学まで行かせてもらったけど、私は高校しか出ていないのよ。それに結婚式の費用も、私は全額自分達で負担したけど、兄さんは父さんから出してもらったでしょう? 介護だってがんばったのだから、その分、私の方が多くもらう権利があると思うわ。

遺産分割について、私どもの提案

相続人の皆様にお集まりいただき、私どもが間に入ってそれぞれの状況、ご希望等を十分に話し合っていただきました。
ご提案にあたり、私どもが特に考慮したのは以下の点でした。

  • AさんはB子さんより多くの生前贈与を受けている。(相続税法上の「生前贈与」とは、相続開始前3年以内に受けた贈与をいうが、民法上は、生まれてから相続開始までに受けた経済的利益(特別受益)を含めていう。)
  • B子さんが行ってきた「介護」が扶養義務の範囲を超えているかどうか、十分な判断を行うこと。(生前、子が親に貢献した場合、その経済的価値を「寄与分」として、遺産分割に際し加算することができる。)
  • 今後、母および父の法要や一族のお墓の管理、また、両親から引き継いで行う親戚付き合い等を担う人には、経済的・時間的負担が発生し続けること。

結果的に、弁護士等を入れることなく、私どものご提案により次のような遺産分割協議が成立しました。

遺産は兄妹で均等に分けて相続する。
ただし、両親の法要、お墓の管理、親戚付き合い等で今後発生する経済的・時間的負担はAさんが一切担い、B子さんは何ら負担しない。

これにより相続が非常にシンプルになり、かつ、将来起こったかもしれない家族間のトラブル等を未然に防ぐことができました。
Aさんには生前贈与の差を遺産相続で埋める考え方に、B子さんには今後の法要や親戚づきあいの経済的・時間的負担がないことに、それぞれご納得いただくことで感情的なしこりがなくなり、兄妹円満にお過ごしいただいております。

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