事例集:相続が発生したとき

事例1:土地家屋だけの遺産、
どうやって分ける?

Aさん(50歳/男性)からの相談

長男Aさん

母が75歳で他界しました。父は既に亡くなっており、残った財産は自宅の土地家屋だけです。
私はこれまで家族とともに母と同居し、毎月の生活費も渡していました。
私には弟(48歳)が一人います。弟は住宅ローンを抱えているようですが、ずっと母の面倒を見てきた私がこの家と土地をもらっても当然だと思っています。

Aさん、Bさんの両方からお話を伺いました。

長男Aさん

これまで母さんとは、この家でずっと一緒に暮らしてきたんだ。妻も働いているから、家事は母さんに任せていたが、生活費は渡してきた。僕がこの家をもらうのは当然だろう…?

次男Bさん

僕は家のローンを抱えて妻も働いているのに、兄さんはタダで家を貰うのかい? 息子も高校生で、まだ学費もかかるので、僕にも相応の財産を分けてほしいなぁ。

遺産分割の方法・例

その1相続税をできるだけ安く抑えるなら

単に相続税を1円でも安く抑えたいのであれば、小規模宅地の特例*を適用してAさんが一人で土地家屋を相続することで叶います。ただし、Bさんの取得分をどうするか決めなければなりません。

その2AさんとBさんの取得分を完全に均等にするなら

次の2つの方法が考えられます。
■土地家屋を売却してお金を分ける。
■売却はせず、AさんとBさんの共同名義で相続する。

しかし、いずれの場合もBさんは小規模宅地の特例*を受けられません。また、将来的に、例えばBさんか亡くなり相続が発生した場合、Bさんの妻と息子が土地家屋の名義を引き継ぎますが、次のような困ったことが起こる可能性が出てきます。

  • ・修理等の際は、Aさん、Bさんの妻、Bさんの息子の三者で詳細を協議し、合意が得られなければならない。
  • ・売却する場合も三者の合意が必要。(その際、Bさんの妻と息子が他界していると、さらに手続きが複雑に。)
  • ・売却した場合、Bさんの妻と息子は所得税等を負担する可能性も。 (居住用財産譲渡の特別控除の特例(最高3千万円)は適用できない。)さらに、所得の発生に伴い、その年の扶養控除等が受けられない可能性がある。

  • *「小規模宅地の特例」とは
    亡くなった方と生計を一にしていた家族の居住用や事業用の宅地について、一定の要件を満たしていれば、その宅地の評価額を最大80%減額してもらえる規定。

私どもの提案

相続人の皆様にお集まりいただき、私どもが間に入ってそれぞれの状況、ご希望等を十分に話し合っていただきました。私どものご提案により、弁護士等を入れることなく、最終的に次のような遺産分割協議が成立しました。

  • Aさんは、母が所有していた自宅(土地・建物)を一人で相続。
  • Bさんは、母が所有していた自宅を財産評価し、その一定割合の金額をAさんから取得。

これにより、将来、土地・建物を売却する場合、Aさんはご自身の判断で行うことができます。
Aさんに相続が発生した場合、Aさんの妻または息子が相続することができます。
Bさんは取得した金額で住宅ローンの一部繰り上げ返済を行い、利息を節約することができました。結果的に、相続税も安く抑えることができました
また、将来起こりうる家族間の様々なトラブルを未然に防ぐことができ、AさんBさん両家の関係は良好に続いています。

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